世界初の歯周組織再生医薬品「リグロス」とは
世界初の歯周組織再生医薬品「リグロス」とは
こんにちは
藤沢市藤沢駅徒歩3分の歯医者・歯科、【藤沢いわさき歯科 矯正歯科】院長の岩﨑です。
大阪大学で開発された世界初の歯周組織再生医薬品「リグロス」
何度か新聞などでも取り上げられていますので、名前を目にしたことのある方もいらっしゃると思います。
ただ、歯周組織再生医薬品と言われてもなかなかピンと来ないですよね?
今日はそんな「リグロス」についてお話してみようと思います。
歯周組織再生医薬品とは
そもそも歯周組織再生医薬品とはどんなお薬なのでしょうか?
歯周組織とは読んで字のごとく、歯の周りの組織のことです。
私たちの歯の周りには「歯肉」、「歯槽骨」、「歯根膜」、「セメント質」という組織があります。
「歯肉」とはいわゆる歯茎のことで、お口を開けると見えるのでイメージしやすいと思います。
「歯槽骨」とは歯が埋まっている骨のことで、アゴの骨とつながっています。
「歯根膜」は歯と歯槽骨を繋げているクッションのような組織で、物を噛む感覚などを感じる組織です。
「セメント質」は歯の根の周りにくっついて、歯根膜と繋がる役目を担っています。
この4つの組織をあわせて歯周組織と呼んでいます。
歯周病になるとこの歯周組織に炎症が起きて、症状が進むにつれて歯周組織が失われてしまいます。
通常の歯周病の治療では炎症を抑えて、歯周病の進行を食い止めることはできますが、失われた歯周組織は元には戻りません。
歯周病によって失われてしまった歯周組織を再生されるために行われるのが歯周組織再生治療です。
歯周組織再生医薬品とはその治療に用いられるお薬のことなのです。
リグロスの成分と作用
リグロスの主成分は「b-FGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)」というもので、もともとは皮膚科などで床ずれの治療薬として用いられていました。
このb-FGFは線維芽細胞というコラーゲンを産生する細胞の増殖を促す物質で、人体の中でも生成されているタンパク質の一つです。
b-FGFには間葉系幹細胞という色々な細胞に分化する能力を持った細胞を増殖を促す作用や、血管を新しく作る作用があります。
このb-FGFを主成分とするリグロスが失われた歯周組織に作用すると細胞の増殖や分化、血管の新生を促進し、歯根膜やセメント質、歯槽骨の再生が起こるのです。
リグロスの使用方法
歯周病の治療はプラークや歯石の除去などの歯周基本治療と、その後必要に応じて行われる歯周外科治療に分けられます。
リグロスはこの歯周外科治療に際に用いられます。リグロスなどを用いて歯周組織を再生させる歯周外科治療のことを歯周組織再生治療と呼びます。
歯周外科治療では歯周ポケットの深い部分の歯の根にこびり付いている歯石や細菌感染してしまっている歯周組織などを歯茎を切開して除去していきます。
こうして歯石や感染組織を取り除いてキレイになった歯周組織や歯の根にリグロスを充満させ、切開した歯茎を縫合していきます。
歯周病によって失われてしまった歯周組織を再生されるために行われるのが歯周組織再生治療です。
歯周組織再生医薬品とはその治療に用いられるお薬のことなのです。
リグロスの注意点
失われた歯周組織を再生してくれる優れたお薬のリグロスですが、使用するにあたり注意点があります。
細胞を増殖させるお薬なので、お口の中にガンがあったり過去にガン治療をした場合はそもそも使用することができません。
他にもリグロスの成分にアレルギーを持っている場合も同じく使用することができません。
使用の際に過剰に多く充満させてしまったり、歯周組織から大きく漏れてしまった場合などは術後に腫れやシコリが出ることがあります。
今回は歯周組織再生医薬品のリグロスについてまとめてみました。
藤沢いわさき歯科 矯正歯科では歯周病専門医である院長が歯周組織再生治療を行っております。
歯周病で悩んでいるという方は是非、ご連絡ください
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